中学生編

中学生編 ~Part 3~

masato.shinokura

KANIやFUBU、Eckoなど、当時流行っていたストリートブランドの服を扱っていたそのお店には、僕たちのグループ以外にも、同じ中学校の連中が時々買い物に来ていた。

その時、僕が万引きをしているところを目撃した1人が自分の親に僕のことを話し、その子の親経由で、僕の親に万引きのことが伝わってしまった。

万引きがバレた夜、僕は母に問い詰められていた。

暫くして、父が帰宅。

同じく問い詰められたが、僕は「万引きはしていない」と噓をついた。

母は僕のことを信用して「あなたが万引きをしていなくて、本当に良かった」と悲しそうな安心したような・・・何とも言えない疲れ切ったような表情で僕に言った。

グサッときた。

同級生が万引きの現場を目撃し、その親経由で情報が伝わる。

第三者が見れば、明らかにクロという状況なのに、母は信じてくれた。

今思うと自分の息子が万引きをしていたなんて「信じたくない」、という気持ちが強かったのかもしれないし、自分に言い聞かせただけなのかもしれない。

ただ、その時の僕には「親はどんな時でも僕のことを信じて味方をしてくれるんだな」と感じたのと同時に、その想いを踏みにじった後ろめたさや罪悪感が強烈に湧いてきた。

罪悪感。後ろめたさ。反省。後悔。そして自己嫌悪。

それ以外にも、未熟な僕は「他の人もやってるのになぜ僕だけ・・・」とか、僕の万引きのことを親に告げ口した子への怒りなど様々な思考や感情が巡っていた。

話を聞きながら父親はどう思っていたかは分からないが、一旦僕の言うことを受け入れてくれた。

だが、「お前がそこまで言うなら信じる。ただ、もしお前の言うことが本当なら、今からその子(万引きのことを親に話した子)に電話をして誤解は解いておけ」といった。

言われるままに電話を掛けたものの、逃げ場を失った僕は、万引きをしたことを告白。

父親と盗んだ商品、そしてお金を持ってお店へ謝りに行った。

万引きを告白してからのことは、正直あまり覚えていない。

謝りに言ったお店の方が「どうせ盗むならもっと大金を盗むような大物になりなさい」みたいな冗談を言ってくれたこと。

そして帰宅後に、悲しそうな、怒ったような、そして悔しそうな顔をしながら、初めて父に殴られたことは覚えている。

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篠倉 まさと
篠倉 まさと
「日本に価値を還元しながら、自分の選択で生きる自由を最大化する」をコンセプトに何者でもない一人の男が迷い、考え、行動し、時には遠回りをしながら「自分の選択で生きる自由」を模索していく過程を綴った現在進行形の物語です。
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